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特集
ICTクラブ大泉学園スタートに向けて
ICTクラブ大泉学園スタートに向けて
~ICT・プログラミング教育はなぜ必要なのか~
私は、ICTクラブ大泉学園を運営する一般社団法人全国ICTクラブ協会の代表理事を務めます山口と申します。日頃は、ICT教育の情報を発信するWebサイト「ICT教育ニュース」の編集長を務めています。2013年にICT教育ニュースをスタートして7年目となります。当初から「ICT活用教育」「STEM」「プログラミング」というテーマを掲げてきましたが、保護者の方はもちろん教員にも認知されていない分野でした。ICT活用教育につきましてはまだまだ理解も普及も充分ではありませんが、「プログラミング」につては一昨年小学校での必修化を政府が発表してから、2020年の新しい学習指導要領にも明記され、保護者の方々にも認知が拡がっています。しかし、プログラミング教育が、近い将来大量に不足するIT技術者の育成のためだと勘違いしている業界関係者や保護者の方がいて、「うちの子どもをSEにするつもりはない」と仰って、プログラミング教育を否定される方もいます。
それは、間違いです。
2020年度から実施される新しい学習指導要領では、「生きて働く“知識・技能”の習得」、「未知の状況にも対応できる“思考力・判断力・表現力等”の育成」、「学びを人生や社会に活かそうとする“学びに向かう力・人間性”の育成」が3本柱になっています。知識や技能はもちろんです、“思考力・判断力・表現力”の育成を求めているところに注目です。また新しい学習指導要領では、「読む・書く・話す・聞く」といった言語活動能力と「情報活用能力」を同等に育成する必要があるとしています。つまり、20世紀の学びの中心だった「読み・書き・そろばん」と同等に「ICT活用能力やプログラミング的思考力」を育てなさいということです。ICTとプログラミング的思考は20世紀教育におけるペンとノートのようなものです。そうしたデバイスや学び方を通じてアクティブ・ラーニングを実現し、“思考力・判断力・表現力”の高めていくのが21世紀型の学びです。
プログラミング学習に熱心に取り組んでいる小学校の校長に、保護者から「そんなことばかりしていて中学受験の役に立つんですか」という苦情が来たそうです。おそらく、中学受験には役立たないでしょう。しかし、高校、大学受験、その先の将来には役立つかもしれません。大学受験も変革が進みます。20世紀型学習の象徴ともいえるマークシート方式のセンター試験が今年で終了しました。今後は、英語4技能や記述式への転換が進むとともに、世界的なトレンドとなっているCBT(Computer Based Testing)、コンピューターを利用した試験への移行が急速に進むと予測されています。記憶や知識に頼って紙ベースの学習をつつけていても、答が分かってても書けない(コンピューターに入力できない)という事態も起こりえます。
わたしたちICTクラブは、市民一人ひとりが変化する社会「第4次産業革命」や「Society5.0」を理解し、子どもたちの学びや成長を見守りながら、社会の変革に自ら参加する地域コミュニティ「ICTクラブ」で「共に学び、共に楽しみ、共に成長する」ことを目指しています。そうした中で、新しい学習指導要領が求める21世紀を生き抜く力も、新しい大学入試制度に対応できる能力も育まれていくと考えます。
ICTクラブ大泉学園はNICAのクラブ第1号として設立しました。プログラミングが出来れば良い、ではなくプログラミングで何を表現し何を伝えるか、そしてそれによって何が解決されるのかという、21世紀を生き抜くのに欠かせない「課題解決能力」を育成することを目指しています。
ICTクラブ大泉学園では、スタート講座としてシェアーNO.1のプログラミング言語「スクラッチ」を使ったしっかりプログラミングを学ぶ「スクラッチコース」と、様々な言語やツールを使い、プログラミングからIoTまで体験できる「21世紀コース」を用意しました。
ICTクラブ大泉学園は4月にスタートします。お子さまの将来を見据え、是非この機会にICTクラブ大泉学園でプログラミングを体験させて上げてください。体験会も開催しています。保護者の方も体験できますので、是非ご自分でプログラミングを体験してみてください。私もファシリテーターを務めています、お待ちしています。
一般社団法人全国ICTクラブ協会
代表理事 山口時雄